活動報告
報告日:2007-02-10
生涯生活サポート上小地区研修会
 
活動期間 2007年2月10日(土)~2008年12月31日(水)
内   容
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ライフビジョンについて講演をする労福協青木専務
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上村所長の話を熱心に楽しく聴く参加者
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年金について熱く語る木島社労士
生涯生活サポート上小地区研修会開催
 2月10日、上田市勤労者福祉センターに於いて、「生涯生活サポート研修会」が、県労福協が取り組む生活あんしんネットワーク事業の「年金セミナー」無料講師派遣を利用し開催されました。研修会には定年を間近に控えた方や、中にはご夫婦で参加された方など約50名が参加し、午前9時から午後3時過ぎまでの長時間にわたり、熱心に講演を聴いたり、ワークシートに取り組みました。

【研修1】
ライフビジョンを持って実りある退職後の人生を!
                 県労福協 専務理事 青木正照

 先ず県労福協が取り組む「生活あんしんネットワーク事業」について事業の主旨、具体的な事業内容、各団体の連携について説明が行われた後、退職後の人生をいかに充実したものにしていくか、参加者も自らの退職後を思い描きながら行われました。
1、定年退職は第2の人生への旅立ち
 第1の人生は、職業生活を中心とした仕事中心の人生です。これに対して第2の人生は会社の拘束や労苦から開放された自由な人生です。しかし、多くの人は大きく変化する生活環境に直面して、お金・健康・生きがいなどに対して不安を抱くようになります。これを「定年ショック」と言いますが、退職前に計画を立て準備を整えることが大切です。
2、会社型人間から自立型人間へ
 定年退職前は会社や組合が面倒を見てくれましたが、退職後は全てを自分で考え行わなければなりません。残された人生を素晴らしいものにするには、在職中から自立した老後生活に向けた生活設計を立て、後悔し内容に心がけたいものです。
3、基本条件は「家族・経済・健康」 
 退職後の生活設定を立てる場合基本となるのは「家族」「経済」「健康」の3つです。この条件が整っていてこそ選択的条件の自らのやりたいことが出来るのです。ここで忘れてはならないのは、家族が、があなたに何を求めているか。特に奥さん(配偶者)の意向への配慮は大切。退職後の生活設計は夫婦共同で行うことが大事です。

4、生きがいの探求
 定年退職から人生の最後を迎えるまでの自由時間は約10万時間といわれます。数字ではピンときませんが、膨大な時間であることは確かです。自由時間を上手に過ごすことの出来る人は、在職中から地域の行事や趣味など幅広く活動していた人が多いようです。これらの活動を通じて豊かな人間関係を持つことで、退職後の生活に幅が出来、多様な生活を送ることが出来ます。しかし、昨日退職したからと言って、今日突然地域活動や趣味などにすんなり入っていける人はいません。やはり在職中からの準備が重要となります。今から退職後自分は何をやりたいのか。自分の生きがいとなるものは何かを考え、自分のため、そして社会のためになる生きがいを見つけることが必要となります。
研修ではそれを考えるきっかけとして「定年後の24時間」をワークシートに記入し、各自定年後の時間の遣い方を考えて見ましたが、一人で過ごすには時間は多すぎ、家族や地域の人と過ごす事が大切であることを実感しました。また「最後の24時間」のプラニングでは、生きることとは何なのかを考えました。 
 退職後の人生を素晴らしいものにするために、個人の元気が家族の元気となり、しいては地域、組織、社会の元気に繋がっていきます。在職中の今から退職後のライフビジョンを持って準備を進めていくことが大切です。



【研修2】
老いてなお生き生きと暮らすために

  全労災在宅介護サービスセンター
        所長 上 村  冨 江

長寿化に伴い誰にでも訪れる老い、75歳を過ぎる頃から、加齢に伴う機能低下などにより、要介護常態になる比率が高くなります。介護を要する原因の一位は脳卒中、二位は老化に伴う筋力、理解力、瞬発力、転倒、ちほうなど機能低下によるものです。それまで頭や身体を使う事が普通だった暮らしも、今や指一本で生活できると言われるほど便利で豊かな世の中になりました。文明が進めば進むほどより便利で楽な生活が、機能低下に拍車をかけ、要介護状態の原因になっていると言えます。
 元気なうちはすべて自分のことは自分で出来るけれど、老いや障害によっては、何でもないことが当たり前に出来なくなる。私たちに出来ることがどうして上手く行かないのか理解できず、つい「何でこんなことが出来ないの」「何回いったらわかるの」と厳しい言葉や冷たい視線を向けてしまう。それは相手を深く傷つけ人権まで侵す結果を招く。誰も寝たきりやぼけたいと思っている人はいない。しかし安全で快適なはずの家の中での転倒は多く、バリアフリーの環境が、返って危険への感知力や緊張感をうすれさせ、要介護へとつながっていく。
 寝たきりや、ぼけないために、適宜な役割を持ち、身だしなみを整え、外へ出て人と関わるなど、日ごろの生活への心掛けが重要です。又今は元気でも、看てやる立場であっても、やがて老いいつか人の手を借りる時が来る。老いても障害があっても一人の人間であり、どんな状態であっても自分らしく、人として安心して生きられる社会こそ、私たちの望むものです。
 長寿は平和の副産物、喜ばしいことではありますが、その延長線上に介護問題があります。もし身近に介護問題が発生したら、一人で抱え込まず、誰かに相談し、必要に応じて福祉サービスを使いましょう。在宅では13種程のサービスが介護保険で示されています。その人の望む生活の実現のために、本人と良く話し合い出来る限り普通の生活をさせましょう。介護を受ける立場の人も、何でも人任せではなく、自分らしい人生とは自分で決め自分で出来ることはやり、誇り高く暮らすことです。
 誰にでも訪れる死、四年前93歳の母を看取りました。死期が近づいた母は、自分の意思をはっきり示し、結果的に母の望みは全て叶えられました。安楽死、突然死など死に方も色々ですが母は尊厳死でした。
臨終の間際に「ありがとう。生きていて良かった」と思える幕引きをしたいものと、私も願います。


【研修3】
知らないと損をする退職前後の諸手続き
労働基金協会 年金セミナー 講師
社会保険労務士 木島 好禅

「あなたは定年後どのように過ごしますか?」これが、研修会終了後の参加者への最後の質問でした。
「まだまだバリバリ働く」、「新しい仕事にチャレンジする」、「年金が満額になるまでがんばる」、「収入は年金だけでいいから無農薬栽培で農業をやる」、「しばらくは休んで夫婦水入らず秘境の温泉めぐりをする」、「若い頃憧れたハーレーを買って日本一周をする」、「大学へ編入して新しい仕事の勉強をする」、などなど、いろいろ考えられますね。
戦後生まれのいわゆる団塊の世代が定年を迎える時期になりました。この方たちの人生は、日本経済の浮き沈みすべてにかかわってきました。高度成長、オイルショック、バブル経済、バブル崩壊、そしてリストラと・・、アップダウン連続の仕事人生だったと思います。
いままで自分の人生を振り返る時間も余裕もなく、ただ会社や家族のために、ひたすら前を向いてひた走ってきたことでしょう。
そんな方たちを対象に、「定年前後の保険・年金・税金などの手続き」と題して、定年の数年前から考えておきたいこと、準備しておきたいことを提案するとともに、定年後の生活を具体的な例を挙げてお話しさせていただきました。以下、研修会の内容です。



~定年前からしっかり準備~
会社にいる間は、会社が社会保険や税金、役所への手続きなどほとんどをやってくれます。また、個人的な相談にものってくれたりします。しかし、退職後は数ある選択肢のなかでどれがいいのか自分で考え、自分で決め、そして自分で行動しなければなりません。自分のことは自分でやるのが当たり前になります。
まず、健康保険です。退職後には保険証は選択肢として5つがあること、どの健康保険に加入するかを保険料や給付サービスなどを比較しながら選択することが大切です。いずれの健康保険を選んでも決められた期日内に手続きをする必要があり、期日はしっかりと守らなければ加入できなくなる保険もあります。また、介護保険については制度全般そして受けられるサービスをご理解いただきました。
つぎに雇用保険です。定年後、新しい職場を求めて求職活動をする人にとって、雇用保険の失業給付はたいへんに役立ちます。また、給料が定年前と比べて低下した場合の雇用保険の給付、雇用保険のしくみ、手続きの流れなどを具体的な例を交えて説明しました。
後半は年金と税金です。年金は自分で請求しないともらえないこと、請求の手続きや年金をもらいはじめた後の注意点、また、公的年金制度全体の仕組みをお話ししました。税金については退職金や年金にかかる税金、そして、地方税などを説明しました。
多くの方にご参加をいただき、また、皆さん、たいへん真剣に聞いてくださりました。ご夫婦でも何組かいらっしゃっていて、非常に関心が高いことが感じられました。
定年を迎える頃には、夫婦のこと、子どもたちのこと、両親のことなど、それぞれにいろいろな環境があるように、定年後のライフプランもいろいろだと思います。定年後、働く、働かない、いずれにしても今度はご自分やご夫婦のための時間として、少しでも有意義な「時」を過ごしていただきたいと思います。
この研修会が定年後の生活をより豊かで充実したものとするために、お役に立てれば幸いです。



添付資料
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