連載

第5回

働く仲間の共助の輪を広げ、子どもたちの未来を支える

● 沖縄県労福協が事務局として運営にあたっている「ろうきん 全労済 働く仲間のゆめ・みらい基金」について教えてください。

つなげよう支援の輪

 「子どもの貧困率」が非常に高い沖縄の現実を見据え、貧困の連鎖を断ち、子どもたちの未来を支えていこうという取組みです。5万円、10万円といった資金支援だけでなく、支援団体が本人と共同で申請する仕組み、そして、自立に向けた道筋を立て、支援団体が寄り添い、支援を続け、出口戦略を持っていることが特徴です。
 基金は、公的制度や他の支援機関などの公助が及ばない部分を支えています。困っている人の自立に向けて、様々な手を打ってもどうしても埋まらない部分、分かりやすく言うと、ジグゾーパズルの最後の一つのピースを埋める。それによって、これまで立ち止まっていた相談者も自立に向けてスタートができます。
 ゆめ・みらい基金は、沖縄ろうきんの50周年にあたって、若手職員によるワーキンググループの「何か社会のためにやりたい」という思いをもとに、会員代表と有識者会議で提言し、創られたものです。記念事業ですが、そこに全労済も参画し、また、指定修理工場など様々な関係者を含むたくさんの方々、幅広い団体の協力に支えられています。さらに、一口50円、ジュース1本程度の節約で参画できる定額自動寄付システムもあり、何千名という多くの会員が参加し、連合も含めて広げています。
 働く仲間の助け合いがこのような形で動き出し、展開できているのは、ろうきん、全労済、連合、労福協の四団体懇話会が機能しているからだと思います。事務局を担う労福協のかすがいとしての重要な役割を実感しています。

ゆめみらい基金新聞記事

玉城 勉

公益財団法人 沖縄県労働者福祉基金協会 前専務理事

1955年沖縄県生まれ。沖縄県職員労働組合委員長を経て、2002年に連合沖縄政策事務局長(副事務局長)。2002~2004年、任意団体の沖縄県労福協事務局長(非常勤)。2011年11月~2017年6月まで専任の専務理事。その間、数々のNPO設立や支援等に取り組む一方、内閣府パーソナルサポート検討委員会構成員として生活困窮者自立支援法の制度設計にも携わる。

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