連載

第4回(201号/5月号)

全国に先駆けてした開始した就労支援事業

ジョブとくしま無料職業紹介所開設(2004年10月1日)

ジョブとくしま無料職業紹介所開設(2004年10月1日)

ジョブとくしま開所式次第)

 徳島県労福協のもう一つの大きな特徴は、全国に先駆けて開始した就労支援事業です。

●連合の地域ミニマム賃金調査から見えてきたもの

 8地方連合からスタートした連合の地域ミニマム運動に、連合徳島も最初からエントリーしていました。賃金の地域ミニマム設定のための中小企業賃金調査では、何年経っても高卒・勤続17年・35歳の「標準労働者」は徳島の調査4,000人中7~8人、連合の全国調査10万人の中でも250人ほどしかいませんでした。
 日本の労働政策の基礎は「標準労働者・世帯」(男性・高卒・製造業・本工・専業主婦・子ども二人)でしたが、時代の変化とともに、いずれも絶対多数はおろか相対多数でもなくなりつつありました。とりわけ中小企業は終身雇用は崩れ離転職が当たり前となり、その傾向は顕著でした。

●全国に先駆けて開始した三位一体の就労支援

 日本の労働組合は企業別労組で欧米の産業別労組とは異なり、企業の退職と同時に組合員ではなくなり、退職後は自助努力とならざるを得ないのが実態でした。
 離転職が当たり前の社会であるならば、従来どおりの労働運動、労働者福祉運動で良いのだろうかと常々思っていたこともあり、連合との車の両輪の一方として社団法人の労福協が就労支援の役割を担うべきではないかとの考えに至りました。それが県労福協の就労支援事業の出発点でした。
 具体的には①就職のための職業訓練、各種スキルアップ・資格取得講座を担う就業支援センター(ジョブカレッジ)、②夜間・休日を含む相談に対応した仕事なんでも相談室、③就職につなぐジョブとくしま無料職業紹介所を開設し、三位一体の就労支援体制をつくることとしました。
 とりわけ、ジョブとくしま無料職業紹介所は大きな役割を果たしました。現在、介護分野においては、ジョブカレッジで資格を得て、ジョブとくしまで就職した多くの人たちが県内の高齢者福祉を支えています。

職業訓練講座

職業訓練講座

職業訓練講座

●中央労福協の第1回国内交流を徳島で開催

 またこのころは連合評価委員会の議論もあり、中央労福協もさまざまな課題にチャレンジしていました。その中で、2007年問題に向けた「働く者の生涯生活サポート」モデル事業に徳島労福協が指定され、退職前セミナーを3コース(半日、1日、1泊2日)で実施し、全国に発信することとなりました。
 更に初のチャレンジとなった「仕事何でも相談・職業訓練・職業紹介」の三位一体の就労支援も注目され、川崎、滋賀、香川、長野労福協からの視察交流もあり、2004年5月27日~28日には第1回国内交流を徳島で開催することとなりました。
 多くの参加があり、その後就労支援は全国へと拡がることとなりました。

退職前セミナー(2002.11.16)

退職前セミナー(2002.11.16)

中央労福協国内交流(2004.5.27)

中央労福協国内交流(2004.5.27)

●さまざまな困難要因を抱え孤立する人たちの自立支援

 離転職を余儀なくされた人たちはもとより、職を奪われ生活を奪われ、社会的に孤立する生活困窮者、社会的就職困難者や就労阻害要因を抱える人たちの自立支援へ向けたジョブサポートの取り組みも始めました。
 パーソナルサポートセンター、若者サポートステーション、障がい者・外国人のための生活就労支援などに取り組むと共に、生活困窮者自立支援法に関わる相談・就労準備・学習支援などは県内で中心的な役割を担っています。
 これらは一億総「孤立」社会と言われる中で今も大きな社会課題であり、私たち共助のセクターの果たす役割は大きいものがあると思います。

若者サポートステーション開所式(2006.09.04)

若者サポートステーション開所式(2006.09.04)

パーソナルサポートセンター開所式(2011.05.16)

パーソナルサポートセンター開所式(2011.05.16)

久積 育郎 さん

公益社団法人 徳島県労働者福祉協議会 元会長

徳島県阿南市生まれ。1996年5月から、社団法人徳島県労働者福祉協議会専務理事、2008年5月から同会長に就任。2011年5月から財団法人徳島県勤労者福祉ネットワーク理事長に就任し、この間、ファミリーサポートセンター、若者サポートステーション、ジョブ無料職業紹介所、なのはな介護支援センター、勤労者福祉サービスセンター、シニアNPO壮生、NPOフードバンク、社会運動資料センター、NPOこども食堂ネットワークなどの設立に取り組む。現在は、徳島県勤労者福祉ネットワーク理事長、認定NPO賀川豊彦記念・鳴門友愛会理事長を務める。

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