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阪神・淡路大震災25年の軌跡

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2020年2月18日

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長の室﨑益輝氏(中)、弁護士の津久井進氏(右)のトークセッションの様子。コーディネーターはアナウンサーの渡辺真理氏(左)=1月22日、東京都内にて

 

全労済協会がシンポジウム開催 事前防災と地域コミュニティの再生を!

 1月22日、都内において全労済協会シンポジウム「震災を正しく恐れ正しく備える」が開催され、約300人が集まった。

 講演Ⅰでは、室崎益輝・兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授より「阪神・淡路大震災25年を振り返る~被災者支援・市民運動の歴史」と題し、震災の教訓をはじめ、ボランティア元年となった当時の市民運動を振り返り、残された課題と新しい課題について述べられた。この間の災害では事前防災や危機管理の弱さが課題となったことから、今後想定される巨大災害に対する特別措置法の法制化、災害ボランティア支援制度の構築が求められる。

 講演2では、津久井進弁護士より、「被災者生活再建支援法の課題を探る」と題し、現行制度創設の経過をはじめ災害時(申請給付)における課題として、全壊・大規模半壊家屋限定の支援であること、同一災害なのに地域によって支援の幅が異なること、世帯単位の給付で被災者個々の支援になっていないこと、給付額の不足など制度基準の改善に向けた問題提起がされた。

 トークセッションでは、室崎氏と津久井氏の両名と渡辺真理・アナウンサーがファシリテーターとして登壇し、私たち市民が平時からできることや備えについて、各地域における具体事例を参考に、政府や民間企業、市民の役割として、人間の復興や共済は事前復興の一つ等をキーワードにトークが繰り広げられた。

 これまで、大規模災害時に浮き出た課題はすべて、次の災害直後に制度化されており、後手後手となっていること。南海トラフ地震や首都直下型地震規模の国難に対処する特別法の早期制定、地域コミュニティの再生に向けた共生社会づくり等に対し、我々市民一人ひとりが声をあげていくことが求められる。

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