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福祉保健医療総合情報サイトWAM NET 「介護離職ゼロの実現に向けて」コーナーのご紹介

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2020年2月21日

独立行政法人福祉医療機構(WAM)からの情報提供です。

(お問い合わせはWAM(独立行政法人福祉医療機構)情報事業部 WAM NET事業課へ)

 

《国民的な課題となった介護離職》

 家族の介護が必要となって離職を余儀なくされる「介護離職」が、大きな社会問題となりつつあります。総務省の就業構造基本調査(平成29年)によると、全国の有業者は約6,621万人、そのうち介護をしながら働く人は約346万人、5.2%に上るとされています。また別の統計では、介護離職者の約半数が「離職直前に誰にも相談していなかった」と回答しています。高齢化が進展する中、さらに増えていくことが予想されており、政府が掲げる「ニッポン一億総活躍プラン」の中でも、介護離職の防止は大きな柱の一つとされています。

 

《従業員の方も経営者の方もWAM NETをご活用ください》

 独立行政法人福祉医療機構が運用する福祉保健医療の総合情報サイト「WAM NET」では、介護保険の手続きなどをはじめとした、ご家族が介護が必要になった際にご活用いただく様々な情報を掲載していますが、これらに加えて、このほど特設サイト「介護離職ゼロの実現に向けて」コーナーを設置しました。

 

 このコーナーでは、上の画面にもありますように、赤色の「家族の介護に直面しながら働く方へ(従業員向け)」と、青色の「仕事と介護の両立のための制度について(管理職、人事労務担当向け)」の二つのコーナーに大きく分けて、従業員の皆さんには介護保険の利用方法や相談先である地域包括支援センターの検索など、管理職、人事労務担当者の皆さんには、介護休業などの制度説明のほか、仕事と介護の両立をどのように支援するか、そのポイントや助成金制度、復職の際の支援方法、「社員向け」「管理職向け」「人事労務担当者向け」に分けられた職場の理解醸成につながる動画なども掲載しています。ぜひご活用ください。

 

「~ 介護で、仕事をやめない・やめさせない ~ 介護離職ゼロの実現に向けて」コンテンツはこちらから

 

《介護離職による弊害 – 従業員にとって、企業にとって》

 WAM NETでは、介護離職の問題についてこれまで様々な企業や経済団体などにお話をうかがってきました。

 従業員やそのご家族のために様々な取り組みに挑戦されている企業も多い中、「職場を辞めるときに『介護が原因で辞めます』といって去っていく人は非常に少ないので、なかなか実態が把握できない」「そのため経営陣に深刻さがなかなか伝わらず、例えば育児休業などと比べて、どうしても対策が後手になってしまっている」などのお声をたくさんお聞きしてきました。

 

 離職によって介護者は

  • そのキャリアや社会とのつながりが断たれる
  • 収入や将来の年金等も減少する
  • これらによって生活や家族が不安定となる
  • 一人で抱え込む傾向となり、結果的に必要な専門的な介護にもつながりにくい

など、自身のキャリアの喪失だけでなく、家族や介護が必要な方ご本人へも大きな影響がもたらされる傾向があります。

 

 一方、企業にとっては

  • 貴重な人材を喪失する
  • 蓄積してきた技術やスキルを喪失する
  • これらにより、場合によっては大きな損失や経営上のリスクにつながりかねない
  • 育児休業などと同様、いまや介護離職対策なども企業の評価や評判を左右しかねない

など、単なる一人の従業員の退職ではなく、失う人材によっては経営上の大きなリスクにつながる場合もあります。

 

 したがって、介護は決して「個人の問題」や「その人の家庭問題」ではなく、「社会全体で考え、支えあうべき課題」といえます。

 

《3つの課題にWAM NETがお手伝い – 「介護離職ゼロの実現に向けて」コーナー》

 これまで様々な企業や経済団体などにお話をうかがってきた中で、職種や職場の別にかかわらず、次の3つの課題が共通していると感じてきました。WAM NETでは、これらの解決に少しでもお役に立ちたいと願いながら「介護離職ゼロの実現に向けて」コーナーを設置しました。

 

〇「どこに相談すればよいのか」「福祉サービスを使えるのか」という情報不足や情報へのアクセスの問題によるもの

 従業員が介護に直面することになったら、ぜひ最寄りの「地域包括支援センター」に相談することをお勧めください。ここではケアマネジャー、社会福祉士など福祉・介護のプロが、介護保険の手続きなどのほか、様々な相談にのってくれます。

 →WAM NETの特設サイト「介護離職ゼロの実現に向けて」では、介護保険制度の解説や手続き、全国の地域包括支援センターや市区町村の相談窓口が検索できるコーナーなども掲載しています。

 

〇「福祉のお世話になるのは恥ずかしい」「家族が介護すべき」という伝統的、日本的な家族観、介護観などによるもの

 日本では未だに「家族が介護すべき」という意識が強いですが、専門職による効果的な介護には介護を受けるご本人の残存機能の維持や回復、社会参加による生きがい創出、家族の介護疲れの緩和など様々なメリットがあります。従業員が介護に直面することになったら、職場の使える休暇や制度を示すのと併せて、福祉サービスは「お世話になる」のではなく「利用するもの」と勇気づけ、介護保険制度などの利用をお勧めください。

 →WAM NETの特設サイト「介護離職ゼロの実現に向けて」では、介護保険制度の解説や手続きはもちろん、介護サービスの種類や内容なども掲載しています。

 

〇「職場に介護しながら働くことを許容される環境がなかった」「とても言い出せなかった」など、職場、上司などの理解や環境によるもの

 大企業では介護休業などの充実にあわせて法定外の経済的支援などを充実させている例も珍しくありません。しかし、中小企業でも仮に経済的支援は難しくても、逆に個々の状況に合わせた柔軟な対応が出来ることはコンパクトな事業所の強みでもあります。大きな経費を掛けなくとも、様々な公的支援をフルに活用すると同時に、職場の理解醸成を通してフレックス勤務や時短勤務などを充実させることなどで、介護離職を防ぎ、貴重な人材を失うリスクを軽減させる大きな効果が見込めることもあります。

 →WAM NETの特設サイト「介護離職ゼロの実現に向けて」では、介護休業などの制度説明のほか、仕事と介護の両立をどのように支援するか、そのポイントや助成金制度、復職の際の支援方法などに加え、それぞれ「社員向け」「管理職向け」「人事労務担当者向け」に分かれた職場の理解醸成につながる動画なども掲載しています。

 

 独立行政法人福祉医療機構(WAM)では社会福祉施設や医療機関の整備に係る政策融資、経営サポート事業、社会福祉施設職員の退職手当共済制度、福祉系NPOに対する助成など、様々な事業を展開しています。WAM NETでは、こうした多面的な事業からの蓄積を活かし、今後の一層の少子高齢化の進展などを見据え、福祉保健医療に関する様々な情報を提供しています。

 前述のように、介護離職は「個人の問題」や「その人の家庭問題」ではなく、「社会全体で考え、支えあうべき課題」といえます。今後も少しでも皆さまの企業活動、従業員の皆さまやそのご家族のお役に立つような様々な情報を提供してまいりますので、ぜひご活用をお願いします。

 

WAM(独立行政法人福祉医療機構)

情報事業部 WAM NET事業課

 

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WAM NETはこちらから (https://www.wam.go.jp/

 

 

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