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就労支援の実態 沖縄県労福協が報告

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2019年2月22日

講座には大学院生など21名が参加した=2月16日、東京都内

 法政大学と連携し、法政大学大学院内に修士課程を設置する「連帯社会研究交流センター」は2月16日、沖縄県労福協から2名の講師を招いて「2018年度連帯社会連続講座 第5回」を東京都内で開催した。法政大学大学院生、大学関係者、中央労福協役職員など21名が参加した。

 冒頭、法政大学大学院連帯社会インスティテュート・中村圭介教授が挨拶し、続いて那覇市生活困窮者自立支援事業統括責任者の名嘉泰(なか・やすし)さん、沖縄県生活困窮者自立支援制度就労準備支援事業統括責任者の運天都子(うんてん・みやこ)さんが「就労支援の実態-沖縄労福協の取り組みから」と題してそれぞれ講演した。

 名嘉さんは沖縄県労福協の各事業の根幹となる「理念」について解説したのち、さまざまな事例を交え、就労支援の役割と実態について報告し、「弱みにフォーカスするだけではなく、強みを見つけ、引き出していくことが重要。一見多くの課題を抱えている人であっても一人ひとり違う強みを持っていて、私たち支援員はそこに着目していく」と述べた。一人ひとりの事情や特性に合わせ、「人から出発する支援メニュー」を臨機に組み立てていく沖縄県労福協のチーム力、機動力を強調した。

 続いて運天さんは、モチベーションが低い人への寄り添い支援として就労準備支援事業における実情を報告した。社会的孤立から抜け出してつながりをもって生活を成り立たせる「自立」に向け、「特性に配慮しながら強みを引き出し、成功体験を通して失われた自信や自己肯定感を喚起することが、就労への一歩につながる」と述べた。

 

名嘉 泰さん
運天 都子さん

 


考えてみよう

 運天さんの講演では、以下のようなワークに取り組みました。ぜひ皆さんも考えてみてください。

 

◉ストレングスを見つける

 以下のAさんの事例からストレングス(つよみ/ちから・いいところ)をできるだけたくさん見つけてください。5分間ゲーム!

 

 <Aさん(男性 50歳/単身世帯)>
 スナックを経営していた。店を3軒経営していた時代もあったが、不景気によりうまくいかなくなり借金を重ねた。このころよりパチンコ・酒で気を紛らわす生活。妻とは3か月前に離婚。友人に借金してなんとか生活していたが蓄えがなくなり、今日たべる米がなくなったと相談に来所した。

 


◉ストレングスはいくつ見つかりましたか?

 講座では3~4つ見つけた受講生がいました。運天さんによれば最大で24個見つけた例があるそうです。解答例では「頼る友人がいたこと」「店を経営する能力があったこと」「来所すること(助けを求めること)ができたこと」などが挙げられました。たくさんの課題から強みを引き出していく「相談支援」の視点を学ぶ体験となりました。

 

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