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第55回Web学習会「労働者自主福祉運動とろうきんの取り組み」

 中央労福協は、11月11日に第55回Web学習会を開催し、95名が参加しました。今回は、全国労働金庫協会経営企画部の山﨑勝さん、井上由紀子さんから「労働者自主福祉運動とろうきんの取り組み ~働く仲間を支える労働金庫~」をテーマにお話をいただきました。

 はじめに、井上さんから労働金庫(ろうきん)が誕生した背景について説明がありました。戦後間もないころ、働く人々は生活資金を銀行から借りることが難しく、高金利の質屋や高利貸しに頼らざるを得ない状況にありました。そうした課題を自ら解決するために、働く仲間が資金を出し合い、ろうきんが設立されました。

 続いて、ろうきんと一般の銀行の違いについて紹介がありました。一般の銀行が利益を追求する株式会社として運営されているのに対し、ろうきんには「非営利であること」「出資額に関わらず一人一票で意思決定に参加できること」「生み出した利益は組合員に還元すること」といった特徴があります。また、融資の約98%が住宅ローンや生活資金などの個人向け融資で構成されており、その点でも一般銀行とは大きく異なる特徴があることが強調されました。

 さらに現在の取り組みとして、金融教育、多重債務問題への支援、NPOや地域活動への融資など、ろうきんならではの社会的役割について紹介がありました。特に金融教育では、学校や職場でのセミナーや学習会を通じて、若い世代を中心に金融リテラシーの向上に力を入れていると説明がありました。

 山﨑さんからは、国際協同組合年(IYC2025)に関連した取り組みについての報告がありました。ろうきんでは毎月、Web学習会を開催し、協同組合の理念や事例を共有してきました。また、地域連携や新しい事業モデルの検討など、次のステップにつながる取り組みも進めています。IYC2025を一過性で終わらせず、学びを今後の活動に生かしていく姿勢が示されました。