連載

第6回

高い旗を掲げ続ける中央労福協と共に

「グッジョブセンターおきなわ」は2018年10月、旭橋にオープンしたビル「カフーナ旭橋A街区」の6階に移転、さらなる機能拡充を図った。

 「福祉はひとつ」の旗を掲げ、労福協運動を牽引してきた笹森清さん(前中央労福協会長)の熱い思いに惹かれ、私自身もこの道を進んできました。
 私が沖縄の労福協を引き継いだ頃は、挫けそうになることも何度もありました。しかし、中央労福協が明確な理念、目指すべき理想を提示し、実現に向けた運動のあり方を伝えてきたことで現場は支えられました。そして、職員の頑張りで、理念の実現を具体的な取組みとし、様々な成果も上げることができました。常に高い旗を掲げ続ける中央労福協と共に、全国の仲間が各地域で様々な運動を展開できると感じています。
 また、中央労福協の歴代事務局長が実践してきた「かすがい役」の役割はとても重要です。沖縄においては労福協の働きかけにより、国・県・経営者団体・労働団体が一緒に創り上げた「グッジョブセンターおきなわ」で結実しました。同センターは、働く人・働きたい人が深刻な問題や複数の課題を抱えていても、問題・課題の解決のためのワンストップサービスを担う機関として、公労使が一体となって雇用の改善と質の向上に貢献しています。
 理念を体現するには様々な課題や難題があり、関係団体の間の温度差、役員と職員の意識のギャップなどで前に進むことが難しいときもあります。しかし、現場に入ることで見えてくる課題と解決策、現場で知ることができる職員の苦労や苦悩があります。役員は職員と業務への理解を深める。職員も自分の職務だけでなく全体を俯瞰して努力する。それによって取組みは前進し、一体感も醸成されると思います。
 これからの各地の労福協の取組みや職場づくりの一助になることを願いつつ、感謝と共に締めくくりたいと思います。

あとがき

終わりに

新たな支援制度の研修会

 今回のニュースレター及びウェブサイト原稿を執筆するにあたり関わっていただいた皆さんに心から感謝いたします。
 県庁の福祉部門に勤めていた20代のころ、申請書類が足りないと何度も窓口から返されるお年寄りの方を呼び止め、有給を取り、車を出して一緒に法務局、役所や関係機関、関係者を尋ね申請書を作成したことを思い返しています。今日の寄り添い型支援とワンストップサービスの原型でした。
 労福協運動で可能性を見出し実践できたのは、私の人生の最高の財産になりました。何事も自ら実践しその経験をもとに進めていく手法は、実現するまで途方もない時間がかかり、何度も挫折を繰り返しあきらめかけたこともありました。しかし、自分よりも優秀で思いを共有する仲間が常に近くにいて協力してくれたことで、様々な事業展開が出来たと思っています。
 至らないところもありましたが無事に原稿を書き終えることができました。ささやかな経験を労福協で働く仲間に読んでいただけると嬉しく思います。

最後の日

玉城 勉

公益財団法人 沖縄県労働者福祉基金協会 前専務理事

1955年沖縄県生まれ。沖縄県職員労働組合委員長を経て、2002年に連合沖縄政策事務局長(副事務局長)。2002~2004年、任意団体の沖縄県労福協事務局長(非常勤)。2011年11月~2017年6月まで専任の専務理事。その間、数々のNPO設立や支援等に取り組む一方、内閣府パーソナルサポート検討委員会構成員として生活困窮者自立支援法の制度設計にも携わる。

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